化学療法の過程で口内炎になることがあります。
私も化学療法や骨髄移植前後の期間で血球が下がった際に口内炎ができて辛い思いをした経験があります。
口腔ケア・口内炎対策について実践したことを踏まえて記載していきます。
目次
口内炎とは
「口内炎」とは、口の中(口腔)や舌、その周辺の粘膜に起こる炎症の総称である。
患部は潰瘍(粘膜がえぐれてできる穴)や水泡になる。
患部の位置によって歯肉炎(歯ぐき)、舌炎(舌)、口唇炎(くちびる)、口角炎(口角)と呼びかたがわかれる。
口内炎の種類と原因
アフタ性口内炎
最も一般的な口内炎。赤く縁取られた2~10mm程度の丸くて白い潰瘍が口腔内に発生。2~3個群がってできる場合もある。若い人に多く、2週間程度で自然治癒する。
原因
過労、ストレス、胃腸の病気、ビタミン不足などによる免疫力の低下や栄養障害。また、口腔粘膜の物理的刺激や不衛生が引き金となる場合もある。なかなか治らないとき、広範囲、頻繁に再発する時は、ベーチェット病等ほかの病気の一症状や、薬による影響も考えられる。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で起こる口内炎。単純ヘルペスウイルスの感染によるヘルペス性口内炎(口唇へルペス、カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌の増殖よりカンジダ性口内炎。その他、梅毒・淋病・クラミジアなど、STD(性行為感染症)による口内炎もある。
赤くただれ、びらんを生じる。カンジダ性口内炎の場合は、口の中に白いこけ状の斑点ができる。
ウイルス性口内炎に多くみられる多発性の口内炎は、口の粘膜に多くの小水疱が形成され、破れてびらんを生じることがあり、発熱や強い痛みを伴うこともある。
原因
ウイルスの感染・増殖。
カタル性口内炎
入れ歯や矯正器具が接触したり、ほおの内側をかんでしまったりしたときの細菌の繁殖、熱湯や薬品の刺激などが原因で起こる口内炎。粘膜が赤く腫れたり水疱が発生する。境界が不明瞭で、唾液の量が増えて口臭が発生・口の中が熱く感じたりする、味覚がわかりにくくなる場合がある。
原因
虫歯、入れ歯の不具合、口腔粘膜の損傷。やけどや薬品の刺激による。
その他の口内炎
アレルギーによるものや喫煙によるニコチン性の口内炎もある。
抗がん剤による口内炎
抗がん剤治療者の3~4割、造血幹細胞移植時(大量の抗がん剤使用)の7~9割、抗がん剤と頭頸部への放射線治療併用時のほぼ100%で口内炎が発生する。
主な原因は抗がん剤が口の中の粘膜にも作用して障害を起こすこと・抗がん剤により抵抗力が低下し、口腔内の細菌感染などから生じることである。
抗がん剤の投与後、数日から10日目ごろに口内炎が発生しやすい。2~3週間で徐々に改善する。抗がん剤の多剤併用や投与期間が長い場合は口内炎の発生頻度が高まるため、重篤化する場合がある。
口内炎予防と対策
物理的に保護する
口腔内での物理的な刺激は口内炎の原因になる。
対策
- 歯磨きで口腔内を傷つけないように注意する
- 食事の際口の中を噛まないように注意する
- マウスピースをはめて口の粘膜と歯を接触させない
口腔内の乾燥防止
口の中が乾いていると粘膜の免疫力が低下するため、乾燥させないようにする必要がある。
対策
- ドライマウス用のスプレーやジェルの使用
- ガムをかんで唾液の分泌量を増やす(固めのガムがおすすめ)
- 水分で口の中を定期的に潤す
口の中を清潔に保つ
口の中の常在菌が増殖することによって、口内炎ができる場合もある。
対策
- 毎食後に丁寧に歯磨き
- うがい(イソジンが望ましい)
免疫能あげる
かぜや疲れなどで免疫力が落ちていると口内炎になりやすくなる。
対策
- 十分な睡眠をとる
- 疲れをためない
- 気分転換をしてストレスをためない
- バランスのとれた食事をとる
緑黄色野菜たっぷりのバランスのとれた食生活でビタミンを吸収する。また、場合によってはサプリメントなどでビタミンB2・B6・Cを積極的に補って、免疫力を高める。
禁煙
- ニコチンは口腔粘膜血管の収縮をきたす→口腔粘膜の血流量低下
- 白血球、マクロファージの機能低下を引き起こす→免疫能低下
- 喫煙によって歯石の形成が促進され、口腔環境の悪化→口腔細菌叢の変化
骨髄移植で行った口内炎対策
私が抗がん剤治療~骨髄移植の際に行った口内炎対策。
マウスピース
骨髄移植1か月程前に骨髄移植を行う病院の歯科医と相談し作成。骨髄移植から3週間程度使用。内側にジェルを塗って装着。寝る時のみ着用した。付け心地は悪い。
結果、マウスピースを使わずに行った移植前の抗がん剤治療時より口内炎が少なかったように感じている。
我慢して使用する価値はあると思う。
口腔ケア用スプレー・ジェル
サンスター
売り上げランキング : 28467
|
サンスター
売り上げランキング : 64954
|
スプレータイプはさらさらしていて使いやすく手軽に口腔内の保湿ができる。頻繁に使用した。スプレータイプに比べてジェルタイプの方が保湿力が高いと思うがぬりにくいし、ジェル状のため口の中で存在感が強い。そのため、移植後の一番血球が下がる時だけジェルを使用し血球が回復してきてからはスプレータイプを使用していた。
口内炎パッチ
大正製薬 1994-01-01
売り上げランキング : 20
|
最初はパッチタイプの患部に張って保護するような薬には期待していなかった。しかし、これはかなり効果的でおすすめしたい。結局のところ痛い部分をそっとしておくのがよいと思う。いくつか試したが上記画像のものが一番剥げにくく使いやすかった。
スポンジブラシ
サンスター
売り上げランキング : 127361
|
口内炎があっても口の中は清潔に保たなければならない。しかし、口内炎に注意しながら歯を磨くのはとても難しいし、ブラシで口の粘膜を傷つければそこが口内炎になる。そのためスポンジブラシを使用する。口内炎が痛いときはスポンジブラシに水だけをつけて歯や舌をなでて清掃した。
そして痛いときは…
我慢せずに病院で処方してくれる痛み止めで口をゆすいで耐えましょう!
コメントを残す